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本企画「ヨコハマハックキャンプ」は地域特有の物産や観光資源などの魅力を発見し、それらを再考しアート作品を作り上げるプロジェクトです。山下ふ頭で開催するArt Squiggle Yokohama 2024で行われます。
ワークショップでは音、風などの場所特有の自然環境の作用によって音を奏でる自動演奏楽器の制作を行い、配布したツールキットをもとに、それぞれ独自のアイデアを考え、創意工夫し、自然の作用を活かした作品を作り上げました。
横浜港南区には50の民話があり、各作品はその民話や横浜の文化などをモチーフに音や姿に反映しています。
横浜市港南区の民話
完成した作品は、移動するラボ「MOBIUM」の内外で展示します。
ヨコハマハックキャンプ EXHIBITION「RESPONSIVE INSTRUMENTS」
展示
2024.7.19[金]〜9.1[日]
【平日・日・祝日】 11:00-20:00 (19:15 最終入場)
【金・土】 11:00-21:00 (20:15 最終入場)
会場 横浜山下ふ頭 Art Squiggle Yokohama 2024
公式サイト https://artsquiggle.com/
展示作品
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紗々「Knock」
音の世界からのこんにちは。
昔話にはインターホンはありません。皆ドアをコンコンと叩きます。そのコミュニケーションは今となっては珍しく、昔話全体を通して心に残りました。
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サイト橋「Heat Sync」
周囲の音に反応して、2本のビビり弦、長さの異なるフィンから成るヒートシンクを弾きます。それぞれ、川で水を飲んでいた2頭の馬、気の優しい大男のでいだらぼっちが、お互いに驚き合うシーンを表しています。
モチーフ「でいだらぼっち 野庭」より
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イトウアキト「ベイシティ」
幼少期に見た横浜を舞台にしたテレビドラマを朧げな記憶を辿りながら表現しました。
モチーフ「プロハンター ベイシティ刑事」より
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河村陽介「たたらの鉄鈴」
横浜港南区はかつてたたら製鉄がさかんで、武蔵の国と相模の国の境ではいたるところで鉄を叩く音が聞こえていたとのことです。この作品は鉄を叩くたたらの記憶を呼び起こす鉄鈴です。
モチーフ「たたらの火とヤマトタケル」より
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河村陽介「寄居虫<やどかり>」
港南にかつて松本村とよばれる集落があり、大きな松の上から法螺貝を吹く合図で徳川の隠密を集めていたとのことです。この作品は法螺貝に身を隠すやどかりが、何者かが近づく足音に警戒し身を縮こませ脚をもがく様を表現したものです。
モチーフ「幕府隠密の村、松本」より
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河村陽介「横浜の水で和紙を作る」
山下公園の海水を採集し、紙漉きを行いました。まれに見える黒い粒はプランクトンです。横浜の海水でできた和紙で太鼓を作りました。
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タカギトモ「ONG_effect」
普段からさまざまな音に囲まれて生活をしています。山や、川など自然に身を浸していると見えないところから聞いたことのない音が聞こえたりよくよく聞いてみると、動物の鳴き声、風切り音、木が軋む音、水が弛む音が瞬間に交わっていたりします。今回の展示では風など外的要因により、設置された音具が動き音が鳴ったり鳴らなかったりします。
自然のスケールに影響されて鳴らされた音と、その時の状況を観察し、耳が開かれれば嬉しいです。
モチーフ「首塚の亡霊」より
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鈴木椋大「黒船を望む丘」
1854年にペリーが横浜に来航し、黒船を見た人達は最初何事かと慌てふためいていたが、異国の真っ黒い蒸気船の珍しさに目を引かれて徐々に皆んな丘に登って見てたり、そこで商売をしていたと言うお話しを聞いて、非常に横浜らしいと思い作品にしました。今でも上大岡に黒船見物の丘があり、横浜の海を見下ろす事が出来ます。
モチーフ「丘の上の黒船見物」より